炭鉱

炭鉱の保安展

7月30日(土)に岩見沢市にあるそらち炭鉱の記憶マネジメントセンターの石蔵で行われた【炭鉱の保安展】の講演企画「お話を聞く会」を見学してきました。 この聞く会にゲストとして招かれた大竹安夫氏は、17歳で美流渡炭鉱に勤めて以来、北星炭鉱、北炭夕張…

ふらっと、岩見沢へ行ってきた

えー、どうも皆さんお久しぶりです。 約3ヶ月もの間、このブログをずっと放置してしまいました……。 定期的にここへチェックしに来てくれた皆様、本当にすみません。 その原因としましては、震災以降の混乱でどうも気が乗らないのもありましたし、春先の北海…

真谷地炭鉱跡

2009年8月22日に夕張市真谷地へ探索した時に撮影した画像を、簡単にですが紹介します。 この日は曇りでしたが蒸し暑く、歩くたびに熱気がまとわりつきました。 選炭工場跡地入り口 鉄製のゲートで閉じられていますが、横から難なく通り抜けられます。 道路右…

新たな炭鉱と金鉱山が稼働する……のか?

今年最初の炭鉱関連日記が新聞からの記事引用とは手抜きもいいところですが(笑)、ちょっと気になったものがあったので紹介します。 それは1月12日北海道新聞夕刊の【今日の話題】という小さな囲み記事で、気になる中身というのは「雄別炭鉱の復活」という…

萩原吉太郎という男

萩原吉太郎(1903年12月15日生~2001年8月8日没) 千葉県出身 政商。昭和30年頃の北炭最盛期と、夕張新鉱事故による北炭崩壊という二つの事象の当事者である。 1926年に慶応義塾大学を優秀な成績で卒業後、三井財閥に入社し、その後しばらくして三井と関係の…

炭層傾斜角

常盤や筑豊、西彼杵などと比べて「炭質や炭量では勝るものの炭層の傾斜がきつい」と言われている、北海道内の主な炭鉱の炭層傾斜を調べてみました。 なお、時代によって稼行炭層の状況には結構差がありますので、あくまでも【一応の目安】として読んで下さい…

『生の声』と『残された時間』

炭鉱関連の資料を調べている時に、特に強く思うものがあります、それは「当時、実際に現場で働いていた人の話が聞きたい」というものです。 実は自分は趣味として炭鉱研究やバイク、釣りの他にミリタリー方面にも手を出していたのですが(最近は御無沙汰気味…

北炭主力鉱 全山水没

35年前の11月27日は、三笠市にある北炭幌内炭鉱でガス爆発事故が発生した日です。 幌内炭鉱は北炭にとって「虎の子」「ドル箱」ともいえる炭鉱で、交通機関の接続性や一大消費地である札幌まで50km前後という立地条件の良さと相まって、創業当時からずっと会…

夕張石炭博物館 存続決定へ

4日ほど遅れた話題ですが……。 予算面の都合で先月末から「閉鎖か?」「それとも存続か?」を問われていた夕張市にある石炭博物館ですが、この度『存続』が決定しました。 一時期は、閉鎖されて博物館の貴重な展示品は処分・散逸するのではないかという噂もあ…

CH4

メタン(methane) 無味・無色・無臭の空気よりも軽い気体(比重0.55)。メタンそのものは有毒成分を含んでいないので吸い込んでも問題は無いが、メタンの滞留する場所で多量に吸うと、気を失って酸欠・窒息で死亡する恐れがある。 C(炭素)とH(水素)が結…

炭鉱概況2

南大夕張(1975~76年?) 以前の日記で軽く紹介した三菱南大夕張炭鉱の概況冊子 北炭の概況冊子と比較してページ数は若干少ないです(30P程度)。 南大夕張鉱自慢の保安設備である中央管制室と管制系統図。 鉱員及びその家族向けの各種福利厚生。 ////////…

炭鉱概況

現代の企業はWebサイトで自社の得意分野や販売商品を宣伝しますが、その昔は小冊子で世間にアピールしていました。 そして炭鉱会社の場合は『○○炭鉱概況』『○○鉱業所概要』といった感じの紹介パンフレットでした。 (以下全て、江別市にある北海道立図書館北…

本物の石炭

炭鉱の研究を趣味としている以上、どうしても実際に掘られていた石炭を手に入れたくなります。 なので、手元にある石炭(と言っても3鉱だけですが)をご紹介。 左:北炭清水沢炭鉱 原料炭 8247カロリー 採取場所:夕張市清水沢にあるズリ山 http://www.mapio…

炭鉱を知るための本

秋の夜長に読書でも……という訳ではありませんが、炭鉱を詳しく知るために役立つ本などを、少しばかり紹介してみたいと思います。中身としては、夕張新鉱に関連する本が多いです。 ちなみに、現在では入手が非常に難しい本もありますので、古本屋や図書館で頑…

赤平炭鉱の動画 その2

昨日に引き続きまして、先週に住友赤平炭鉱で撮影した動画をお楽しみ下さい。 立坑坑口の遠景とプッシュバック設備。 後ろから「ポタポタ」「ピタピタ」と聞こえるのは、屋根や鉄骨から落ちる水滴の音です(広いので音が響く)。 坑口にある操車場操作室。 …

赤平炭鉱の動画

先週11日に、赤平炭鉱の関連施設が一般開放された時に撮影した動画を、YouTubeにアップしました。 お世辞にも画質や音声は褒められたものではありませんが、機械や建物の雰囲気を味わって頂けたら幸いです。 削岩機(右)とエアオーガ(左) コールピック 撮…

29年目の10月16日

このブログによく来られる方なら今更説明をするまでもないとは思いますが、今から29年前の1981年10月16日は、北炭夕張新炭鉱で93人もの死者を出したガス突出事故が発生した日です。 突出したメタンガス量は600,000立方m、同時に吹き出した炭塵は4,000立方mと…

チリの落盤事故

落盤により銅鉱山の坑道奥に閉じ込められていた鉱員33人全員が、69日ぶりに無事救出されたのは世界的な大ニュースになっています。…が、Googleやヤフーブログ内の検索で調べてみると、どうやら炭鉱で発生した事故と勘違いしている人が多いみたいです。 まぁ…

赤平炭鉱の見学 おまけ編

自走枠整備工場編、立坑編の記事が長くなってしまうので、ここに分けて載せることになった画像や文章などです。 ロードヘッダーの先端部(カッタヘッド)。 シールド型自走枠の背中。 ドラムカッターの裏面。 人車の連結部。 バックホーの座席からの眺め。 /…

赤平炭鉱の見学 立坑編

午前中は自走枠整備工場でブラブラと機械類を見ていたのですが、午後1時からは本命の立坑見学です。 自分を含めて約80人近い人数が集まったらしく、案内ボランティアの人は「ヘルメットが足りない…」と言ってました。 ※立坑は老朽化により天井から物が落下す…

赤平炭鉱の見学 自走枠整備工場編

10月10日と11日に一般公開がされた住友赤平炭鉱の立坑と自走枠整備工場ですが、自分は都合により11日に行きました。 色々と紹介したいのですがブログ容量の問題もあり、掻い摘んだ感じになりますがご了承ください。 前日の大雨とはうってかわって心地良い秋…

【ヨタ話】 炭鉱建設考

これから書くことは私しげーの完全な脳内妄想です。半分寝ながら書いています(笑)。 関係する業界に所属されている方が見たらバカバカしい文章とは思いますが、まぁ肩肘張らずに笑って読んで頂けたら幸いです。 さて、自分は炭鉱という極めて地味でマニア…

夕張市 旧北炭清水沢炭鉱住宅

少々遅れてしまいましたが9月26日に内部公開された、夕張市清水沢の炭住で撮った画像を紹介したいと思います。 北海道ではよく見られるギャンブレル屋根(※)の、典型的な四軒長屋型炭住です。 位置はこの辺です(マピオン)→http://www.mapion.co.jp/m/42.9…

岩波写真文庫シリーズ

炭鉱・鉱山などの資料を調べる場合、まず手をつける部分としては図書館などで「関連する本を探す」のが一般的ではないでしょうか? (まぁ、今だとGoogleなどのWeb検索サービスのお世話になっている人も多そうですが。自分もその一人です) しかし、労働組合…

南大夕張炭鉱の人員

昔読んだ資料(たしか炭鉱技術だったかな?)に「寄せ集めの鉱員が主力の炭鉱」「鉱風が無いのが鉱風」と書かれていた三菱南大夕張炭鉱ですが、採用した鉱員の旧職場とその採用人数のリストを作ってみました。 見ての通り、数としては三菱系の炭鉱から移籍し…

夕張新鉱 坑内図

前回の記事では南大夕張炭鉱の坑道図を紹介しましたが、その文中に「夕張新鉱と比較すると結構複雑です」と書いたくせに、実は夕張新鉱の坑道図を皆さんに見せていないのを今になって気がつきました。 という訳で、ここでは以前暇を見て作った夕張新鉱の坑道…

三菱石炭鉱業株式会社 南大夕張炭鉱

北炭夕張新鉱のことばかり書いていたら、ただでさえ少ないネタが枯渇してしまうので(笑)、ここらですぐ隣の鉱区にあった南大夕張炭鉱の簡単な解説でもしてみたいと思います。 夕張市内に作られた炭鉱で二番目に新しく、そして一番最後まで稼働していた炭鉱…

夕張新鉱総合事務所跡の探索 その2

【夕張新鉱総合事務所跡の探索 その1】の続きです 排気立坑へ行く途中、路肩に生えた樹木の陰からペンケマヤ川がちらりと見えます。底はゴロタ石で水深は 30cm前後の浅い川。パッと見の渓相は悪くないのですが多分魚はいないと思います。 草むらから見える…

夕張新鉱総合事務所跡の探索 その1

2010年9月26日(日曜日) 晴れ時々曇り 夕張市清水沢清陵町の山奥にある夕張新鉱総合事務所跡及び入気/排気立坑を見に出かけました。 実はこの日は夕張市南部地区にある旧南大夕張駅で開催される汽車フェスタと、清水沢地区にある炭住一般公 開を目的として…

夕張新鉱という炭鉱について

1970年に建設工事が開始され1975年営業出炭開始、そして1982年に閉山した北炭夕張新鉱。 当時の金額で360億円近い莫大な巨費(今の金額で換算すると1000億円を超えると思われる)が注ぎ込まれ、坑内外管理にコンピューターが使用されるという最新鋭の超ハイ…