夕張新鉱総合事務所跡の探索 その1

2010年9月26日(日曜日) 晴れ時々曇り
夕張市清水沢清陵町の山奥にある夕張新鉱総合事務所跡及び入気/排気立坑を見に出かけました。
 
実はこの日は夕張市南部地区にある旧南大夕張駅で開催される汽車フェスタと、清水沢地区にある炭住一般公
開を目的としていたのですが、せっかく夕張へ来たのにこの二つだけを見学するのも何だか物足りないなと感じ、これらの催し物へ行く前に、夕張新鉱総合事務所跡へ足を伸ばしてみたのです。
 
本来なら昨年夏に総合事務所の探索は実行していたはずなのですが、この時はどうにもバイクが不調で、このまま山奥へ突入するのは危険と判断し、沼の沢駅周辺の斜坑口と真谷地の探索で済ませました。なので今回はその再チャレンジみたいなものでしょうか。
 
新鉱事務所跡へのルートはあえて詳しくは説明しませんが(炭鉱などを調べているのでしたらこれくらいわかるでしょう)JR沼の沢駅を越えて新鉱橋を渡り、林を抜けて畑を通ると私有地をかすめる砂利道となり、それを道なりに進むとゲート付きのやや荒れ気味な林道となります。林道の路面状況そのものは特に問題ではないのですが、途中に沢水の影響で路肩が大きく崩落した部分があり、バイクが小型車でないと通過するのは結構危険と思われます(谷底へ転落しても私は責任を持ちません)。
 
イメージ 1
そして鬱蒼とした森の中にある林道を2.5kmほど走ると急に視界が開け、最初に目に飛び込むのが鉄柵で封をさ
れた通洞口です(画像がちょっと斜めってます)。清陵町住宅街側の通洞口は慰霊碑が設置されているので多少は人の出入りがありますが、こちら側は草に埋もれて人の気配もありません。
 
イメージ 2
 
イメージ 4
通洞の反対側に目をやると、イタドリやセイダカアワダチソウに覆われるようにコンクリートの基礎が見えます。こ
こが夕張新鉱の総合事務所兼繰込所の跡です。広さとしては小学校の体育館くらいはあるでしょうか。
 
イメージ 5
そのまま川の方向へ進むとグチャグチャに破壊された6つの大きな湯船が出現します。幅3m奥行き7mくらいだろ
うか?
6つもあるということは、汚れ落とし用湯船と上がり湯用湯船で一番方、二番方、三番方と使い分けていたりした
のでしょうかね?
 
イメージ 7
 
イメージ 6
 
イメージ 8
そして6つの湯船の延長線上には、立坑跡と入気用扇風機設置跡である密閉コンクリートの塊が鎮座しています
。立坑へ近づく途中に安全灯用のバッテリーが2個落ちていて、ひっくり返すと下から親指ほどの大きさのコオロギ2匹が飛び跳ねてきました。
立坑跡には赤黒く錆びた放散塔が備え付けられており、裏側には密閉工事完了日が記載されたプレートが貼
られています。
ちなみに夕張北部炭鉱とは、夕張新鉱閉山後に鉱区を縮小して設立された採炭・ガス採取を目的とした炭鉱です。もし三井や国などから再建の支援が与えられていたら稼働するはずでしたが、一度も営業することなく1983年に閉山、鉱区も廃山となりました。
 
イメージ 9
 
イメージ 10
立坑のすぐそばにある入気用扇風機の設置跡も立坑跡と似たような感じです。ただし、地中へ斜めに向けて掘られていたため上部を切り落とした三角形みたいな密閉形状です。こちらからは見えませんが、裏面には立坑と同じく密閉工事のプレートが貼られています。
立入禁止の柵として囲っていたであろう有刺鉄線は既に錆で千切れてしまい用をなしていません。
 
イメージ 3
立坑跡の探索を済ませて道へ戻った時に、事務所跡の反対側に奇妙な建物を発見しました。青白い色のペンキが剥げかけており下地のコンクリートが露出していますが、何に使われたものでしょうかね?
 
次は排気立坑の探索です。バイクに跨り400~500mほど奥へ移動します。
余談ですが、この近辺は地元の農家曰く「ヒグマがよく出る」のだそうです。自分も今回の探索で一番怖かったの
が幽霊ではなく熊でしたので、ホーンを頻繁に鳴らしながら走ります。
 
 
ちょっと長くなりそう&画像投稿の2MB制限に引っかかったので次へ続きます。