浦臼・奈井江へツーリング

 早いもので今年も残り1ヶ月半となります。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

さて、2週間前の11月1日のことになりますが愛車で浦臼・奈井江方面を軽く走ってきました。この日の天気は朝からパッとしない曇り空で気温も低く、おまけに雨までも降ってきそうな雰囲気でしたが、いつ雪が積もってもおかしくない今時期では走れる機会も少ないため、寒さを我慢してツーリングを決行しました。これだけ寒いと空冷エンジンには最適な時期なんだけどねぇ……。

 

午前10時頃に親戚宅の倉庫から出発したのだが、気温が10度前後と低いので普段の手順のキックだとなかなかエンジンが目覚めない。ティクラーを長く効かせてスロットルをいつもよりも開き気味にしながら20回ほど蹴ってようやく始動した。コールドスタート時に余計な手間がかかってくると、冬という季節を実感します。

札幌を抜けて国道 337号から当別町を経由して国道275号に入り、収穫の終わった田園地帯を走り抜ける。日曜日にしては車の数も少ないため、走行そのものはかなり快適。ただし空気が冷たいので両手と首元の寒さは辛かったが。

 

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月形町にあるファミマに到着 11:12 AM

さすがに11月となると寒さが堪える。ここで凍えた身体を温めるためにホットドリンクかホットスナックのどちらを買うか迷ったが、ドリンクだと飲んだ後にトイレが近くなるのでここはホットスナックのあんまんを選択。1個120円 餡が唇に触れるとやけどをするくらいにアツアツで旨い。

 

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あんまんで軽く腹ごしらえを済ませ、出発の準備をしている最中に国道275号を走り去っていった10台近いトヨタ スープラの集団。今では80スープラもめっきり見かけなくなった。

 

youtu.be

そして月形から浦臼までは、ヘルメットに小型カメラを装着して動画を撮影。しかし道央圏の紅葉シーズンは10日も前に過ぎていたので、空も地面も灰色と茶色ばかりな面白味のない動画になってしまった。だけどサイドカーを運転している雰囲気は一応味わえる……と思う。

これで天気が良ければまだマシだったのだが、本日は生憎の曇天&小雨。秋から冬にかけての北海道の気象は荒れやすい。

 

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月形から20分ほど走ると霧雨で濡れた道の駅 つるぬまに到着 11:51 AM

紅葉や秋野菜の収穫が終わったオフシーズンなので駐車場はガラガラ、敷地内の店舗も一部を除いて冬季休業のため寂しいかぎり。しかも画像には写っていないが小さな羽虫(白い「わた」が無いので雪虫ではないと思う)が大量に舞っている。数歩歩くだけで服や髪に付着するのでとても厄介。

 

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トイレで用足しを済ませた後(勿論、体中は羽虫だらけだ)、次の目的地である奈井江町に向かう。本当は浦臼の先まで進みたかったのだが、天候が悪いので仕方がない。 

 

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道の駅つるぬまから走って7~8分ほどの距離にある北海道電力 奈井江火力発電所。この奈井江発電所は半世紀以上の長きに渡って稼働をしていたが、最新鋭の石狩湾新港LNG火力発電所1号機が2019年2月から発送電を開始したことにより、奈井江は同年3月末で運転を停止した。

今回は石狩川の堤防上から撮影したのだが、遠目から見ても人の気配は感じられず、画像左側手前の貯炭ヤードに石炭は無く空っぽのまま。そして雑草が敷地の至る場所に生えていた。

 

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北電としては、廃止ではなくあくまで「休止」扱いなので、電力需要が逼迫したり緊急災害時には奈井江を復活させると説明をしている。だが、機材の老朽化により最後まで故障を直しながら騙し騙しで運転されてきた発電所だったため、残念ながら再稼働の線は薄いだろう。このまま放置される可能性が高い。

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 奈井江火発を撮影していたら次第に雨が強くなってきた。しかし、ここで雨具を着るのは面倒だったので、目と鼻の先にある奈井江町公民館まで我慢して愛車を飛ばす。12:29 PM

上に着たジャケットは防水なので大丈夫だが、ズボンは濡れてビショビショ……。

 

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 気を取り直して、公民館の2階にある奈井江町郷土館に入る。

郷土館の入場は無料ですが、1階の事務室にいる職員に一声かけてから来客名簿に署名をする必要があります。

 

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 炭鉱関連の展示を期待して訪れたのですが、どちらかというと明治期の開拓時代に関する生活用品や農機具の展示が大部分でした。

 

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 …で、炭鉱関連の展示はこれだけ。予算やスペースの関係もあるのでしょうが、もう少し充実してもいいと思うのだが……。それと室内は全体的に暗く、スポットライトの小さな照明で展示品や説明文を照らしているのでものすごく撮影がしづらい。

 

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明治~昭和中期にかけての奈井江町で開発された各炭鉱の位置図。

 

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三脚の固定部にコンパスが装着された鉱山用トランシット。

野外測量と違って坑内には山や建物などのわかりやすい遠距離の目標物が存在しないため、コンパスで方位を確認して測量をした。現代のトンネル工事での測量も、扱う機材は違うがやっていることは似たようなものである。

 

展示を一通り見た後は、一階に降りて付属の図書館で本や資料を漁った。

本棚で見つけためぼしいものとしては……

 

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 以前に紹介した北海道炭鉱資料総覧。今では入手が不可能なので、図書館などで読むしか無い。

 

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芦別市開基100周年記念として1993年に出版された芦別大図鑑。閉山して間もない三井芦別炭鉱についても少しだけですが記載があります。

 

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これは珍しい一冊。

空知地方で石炭の露天掘り採掘をしている建設土木会社 砂子組(本社:奈井江町)の創立50周年記念社史です。滅多に見られない露天鉱の作業写真や当事者の記述が多くて参考になります。

 

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図書館で参考になりそうな本を色々と読んでいたら午後2時をとうに過ぎていた。11月になると日が沈むのが早いので、名残惜しいがここで退散することにする。14:20 PM

降っていた雨もいつの間にか止み、濡れそぼっていた愛車も既に乾いていた。しかし空には鉛色の重たそうな雲が未だ漂っている。帰り道は国道12号岩見沢・江別経由で走るつもりだったが予定を変更、国道275号で来た道を寄り道せずに札幌へ戻っていくことにした。

まとまった休みがあればもうちょっと遠くまで足を伸ばせたのですが、今は仕事が忙しいのでなかなか……。

 

本日の走行距離:127km