長江サイドカーの全塗装作業 総括

さて、塗装・組み立てが完成し、車検を無事に通してから2週間ほどが経過しましたが、改めて考えると「ずぶの素人が入念な計画もなしにやった作業なだけに、とんでもなく時間がかかったなぁ……」という印象が一番大きいです。
連休直前の4月末頃から作業に着手し、全バラできたのは6月上旬、車体の塗装剥離がほぼ済んだのは7月末、主要部分の塗装(防錆&2液ウレタン)が終わったのは8月中旬、そして組み立てが完了したのが9月15日(その2日後の17日に車検を受けた)。約5ヶ月近い日数がかかった計算です。
当初の予定だと1ヶ月前後で終わらせられるだろう、と楽天的に考えていましたがこれは極めて甘い見通しでした。そしてあまりに作業が面倒になって途中で投げ出したくなったのも2度や3度ではなかったし…。メカに詳しくない人間が手探り足探りで始めた、人生初の全バラ&全塗装がきちんと完成しただけでもヨシとしましょうか。

……で、かかった費用ですが、実はそれほど金は使っていません。
ウレタン塗料代は塗料4kg・硬化剤1kg・専用シンナー1kgのセットで13300円ほど(送料別)。本車フレーム、側車フレーム、船、燃料タンク、その他小部品類を塗装するのに使った塗料は合計で1.6kg前後でしょうか。半分も使っていませんね。
それと先日余っていた硬化剤を確認したら、蓋をしていたにも関わらず、缶の中で空気中の湿気と反応し、カチコチに硬化していました。開封から1ヶ月半ほどでこうなるとは、実にもったいない。

剥離剤は、頑丈な塗膜を落とすためにたっぷり塗りながら作業したため一缶(4kg)では足りず、7月中旬にもう一缶を買い足しました。最終的に5kg弱は使っただろうか。防錆塗料のサビテクトは繰り返し厚めに塗ったので、1.6L缶の2/3は消費しました。これで車体が雨にずぶ濡れになっても安心できると思えば安いものです。

小物類(刷毛、ウエス、配線、ねじ、グリス、パテ、工具など)の購入費と雑費は合計で28000円ほど使いました。買ったはいいものの結局一度も使わずにホコリを被ったものも何個かありましたが、まぁ、おおむね予算の範囲内といったところでしょうか

大きい物から小さい物まですべてをトータルすると、おそらく5万円前後の出費でこの一連の作業を完成させたことになります(車検費用は別)。
もし、これらの作業を板金塗装屋やバイクショップに依頼したとするならば、たぶん20~40万円は軽く超える金額になったのはまず間違いないかと思われます。そう考えるとDIY精神を発揮して手を動かし、汗を流せばかなりリーズナブルに済みますね。ただし、かかった時間と手間を許容できれば、ですが。


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旧塗装(晴天下で撮影)
半年前まで塗っていた色は青がやや濃い、ツヤのあるジャーマングレーでした。色味はまぁ妥協できたものの、テカテカなツヤが入手以来どうにも気に食わなかった。

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現塗装(曇天下で撮影)
タミヤカラーXF63ジャーマングレーの色具合で塗装。ツヤ消しなので以前とは違って精悍さと力強さが出た……ような気がする。それと船の前方両サイドに箱を取り付けたいのだが、新たに穴を開ける度胸がないです(笑)。


塗装色について
今回の作業で長江サイドカーに塗った色は、戦車などのプラモデルを作ったことがある人にはお馴染みな「ジャーマングレー」です。そして、ジャーマングレーと一口に言っても、実は各塗料メーカーによって結構な差があります。一番メジャーなタミヤのジャーマングレーは暗い灰色ながらもわずかな白っぽさを含み、Mrカラー(旧)のはタミヤより青みが濃い(?)ように見えるし、クレオスは黒に近い濃厚な灰色で、ガイアカラーのは灰色を通り越してほぼ真っ黒という塩梅。
自分はタカラ塗料でウレタン塗料を注文する際に、タミヤカラーのジャーマングレーを塗ったサンプル紙片を送って調色してもらいました。詳しい色番号はこれです

色の好みというものは個人差があるので「どの色具合で塗るのが正解か?」というのはありません。リアルさをとことん追求して、第二次大戦時のナチスドイツのサイドカーと同じような色で塗りたいのなら、ガイアカラーやクレオスをサンプルにすれば良いでしょうし(この2つは本物のジャーマングレーにかなり近い)、そこまで濃い色はちょっと…という場合なタミヤの色具合でも十分だったりします。


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海外の掲示板で拾ったBMW R75サイドカー
黒にかなり近い濃いジャーマングレーで塗装がされている。


勿論、自分も最初の頃はクレオス系の濃いジャーマングレーで他とは違うリアルな塗装色にしようかな、とも考えたのですが塗った色を想像すると「これは黒がきつくてクドすぎるなぁ」と感じ、あっさり目な色具合のタミヤのジャーマングレーに変更した次第です。
それに濃すぎる色だと右翼・ネオナチ関係のバイクと間違われるのも癪だしね…。ただでさえ今の東京や大阪ではネオナチ系排外主義団体が繁華街を闊歩しているだけに(しかも現政権のトップは極右的思考の持ち主だ)、ヘタに迂闊なことはできません。個人的にもああいう脳味噌が足りない連中と一緒にされたくはないですから。