サビ止め塗装

皆さんお久しぶりです。
気になっている方もいる(?)かもしれない長江サイドカーの剥離・再塗装ですが、僅かづつではありますが進んでおります。
塗装剥がしとパテ剥がしで想像以上に時間を取られましたが(あまりに地味&辛くて正直言って投げ出したくなった)、どうにか次の段階へ移ることができました。だけど当初予定では5月末に完成させるはずだったのだが、気がついたらもうお盆が目前だよ……。
夏の北海道というベストシーズンに乗ることができないのはとても痛いです。

それではダイジェストっぽくなってはいますが、どうぞ御覧ください。


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地金に固く貼り付いたパテはとても剥がしにくい。このような場合、ガストーチで数秒ほど加熱し、浮き上がったパテをスクレーパーで剥がすのが一般的だが、燃料タンクにそのようなことをするのは引火・爆発の危険がある(ガソリンは抜いてあり完全にカラだが用心のため)。
なのでマイナスドライバーを彫刻刀に見立ててコリコリと少しずつ削っていく。刃先が甘くなったらその都度グラインダーで研ぎながら、ひたすら無心に…。


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忍耐力を試されるパテ剥がしが一段落したら、次は船を農作業用の荷車に乗せ、外側の塗装を剥がします。
船のドンガラは厚さ1.2mmくらいの鉄板で作られていて結構頑丈。短い距離ならば一人で手に持って運ぶこともできるが、かなりの重労働です。


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普段はまず見ることがない船の下部。
先端にある2つの穴はフットレスト固定ボルト用の穴です。


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反対の角度からもう一枚。


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そして本車と側車のフレームの塗装も剥がす。画像にはないがフェンダー類も同じように剥がしています。


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側車フレームは単純な見た目に反して塗膜が固く、意外と剥がし辛かったです。
剥離剤を二度塗り、三度塗りして強引に削り取る。


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船の側面にあったパテをガストーチで熱して剥がした影響なのだろうか、薄っすらとサビが発生してしまった(恐らく急激な加熱による表面の酸化と思われる)。


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このサビを落とすには【サビトロン】という研磨スポンジがとても役に立ちました。
厚さ2センチ、ハガキくらいの大きさだが本体に柔軟性とコシがあるので、木に巻きつけた紙やすりと比べるとずっと作業がしやすいです。


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塗装剥がしが終わったら洗車ブラシを片手に全体をくまなく水洗い。地金に残っている剥離剤をこすり落とします。


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水洗い後、十分に乾燥させたら次は防錆塗料のサビテクトを塗ります。この塗料は伸びがよく速乾性(夏の晴天下で30分前後)なので作業性は良好です。
色はうすねずみ色をチョイスしたのですが、塗ってみると想像していたよりもちょっと明るい……かな?


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それとサビテクトは粘性があるので、小さな傷くらいならいちいちパテを使わなくても埋めることができます。なお、ハンドルポスト下のフレームにある細長いものは職権打刻。ここをサビテクトで塗ると打刻が埋まってしまう。


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燃料タンクとフェンダーと小物類。特にフェンダーの内側はポツポツと小サビが発生していたので、サビを落としたら念入りにサビテクトを塗りこむ。


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船の外側全体をサビテクトで塗装。
船の前方両側面に開けられていた穴をスチール用エポパテで埋める(ここには工具箱がボルト・ナットで直接留められていた)。
しかしこの穴は船の内側から外に向けて開けたらしく、横から見るとフジツボみたいに数ミリ隆起している。パテで素人処理した後はグラインダーで軽く削ったが、よく見ると目立つな…。


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船の内側は一部の塗装を剥がしてサビテクトを塗ります(内側の塗装は状態が良かったので全て剥がさず一部分に留めた)。


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内側の側面と足元周辺を重点的に塗る。


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サビテクト塗装後は日陰で風通しの良い場所に一日以上置き、塗料に含まれる溶剤が完全に揮発するのを待ちます。
どうでもよいことだが、もしサビテクトが艶消しで色味が深みのあるダークグレーだったらこの状態で組み立てても悪くないな、と感じた。

次はクライマックスのウレタン塗装です。