組み立て完成、車検、そして公道復帰へ

読者の皆様、長きに渡った戦いも、これにて完結です。
ヘトヘトになってしまいましたが、汗と涙とグリスとウレタン塗料にまみれた激闘の記録、最終章です。
あ、ウソウソ、大げさでしたね。

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半分ほど組み立てた状態で、全体確認のために外へと引っ張りだす。
色そのものは以前とあまり変わらないが、つや消しにするとグッと引き締まって見える。

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側車輪のフェンダーを取り付ける時に、ボルトを留める穴の位置が結構きつくて難儀した。
外すときは楽だったんだけどなぁ。

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ニッパーやギボシ端子を片手に電装をイジる。
特に今回は、見栄えが悪かったシート下付近に固まっていた8極・4極カプラー類を外し、配線のスリム化を目指した。

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ちなみに以前はこんな感じ。長江はクラシカルな外見なのに、車体右側からはだらしなく伸びた白いカプラーが丸見えになるのをどうにかしたかった。製造工場ではある程度の余裕を見て車体に組み込まれたのかもしれないが、どの配線も15センチは余計に長い気がしました。
カットカット、とにかくカット!

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一応今回の目玉としまして、ヘッドライトのリレー化(通称・バッテリー直結【バッ直】)にも着手。
上画像の中央に並んでいるリレー(3つ写っているが実際には2つにして操作)を使ってバッテリーの電気を直接流してハイとローを切り替えます。
5極リレーを使えば1個で済んだのですが、あいにく手元には4極しかなくて……。

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端子類を固定するハンダ留め作業中、はんだごてを置く場所としてエンジンヘッドの固定ボルト用の穴が調度使いやすい位置にあることに気がついた。
まぁ真似する人はいないと思うけど。

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ゴム類には苦労させられた。
まずはステップのゴム。古いゴムを外すときはニッパやペンチで破壊して取り外せばよいのですが、新たに装着するとなるとなかなかに大変。
ヤカンでギンギンになるまで熱くした熱湯に数分漬け込み、ゴムを軟化させて差し込みます。

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お次はグリップのゴム。これも固くて固くて…。
あと、右と左では内径が違います。まぁ見ればわかりますが。

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渾身の力を込めてハンドルに差し込む。冷めるとまったくと言ってもよいくらいに入らなくなるので時間との勝負。
それと熱々のグリップは強烈なゴム臭を放つため、屋外で作業することをオススメします。

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右側のスロットルグリップにもどうにかして押し込んだ。
次はフロントブレーキのワイヤーを取り付けようとしたのだが、中に通す穴が微妙に小さくて入らないトラブルが発生。。

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左側のクラッチケーブルを通す穴は横に長い楕円形で問題がないのですが(上の画像)、右側のブレーキワイヤーを通す穴はほぼ真円でワイヤーのアウターやタイコを通すことが物理的に不可能な状態。
うぅむ、ここに来て手こずらせてくれる。

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仕方がないので棒ヤスリ片手にシコシコと削る。
20~30分は黙々と削っていただろうか。どうにかして穴の拡大化に成功。

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油とホコリでかなり汚れていたキャブレターをパーツクリーナーで綺麗にする。
中身の方は特に問題もなさそうなので分解まではしませんでした。

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ポイントも交換。入手した9年前からずっとそのままだったものをようやく取り替えた。
しかし想像ていたよりもヒールはそれほど摩耗していませんでした(接点部は軽く凹んでいたが)。

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エンジンへ新品のオイルを2リットル注入。ブランドはバルボリン20W-50。ついでにミッションとデフにもオイルを入れる(BPエナギヤー80W-90)。
古い構造のバイクなので使うオイルは硬めの鉱物油オンリーです。

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タイヤ交換。
バイク屋に頼むとはめ込みだけでも1本2000円近く取られるので、安く浮かせるには自分でやるしかない。
ホイール外周に巻くリムバンドは買うと地味に高く(19インチ用で500円くらい)、劣化するとひび割れてちぎれたりするので布ガムテープで代用。それにこっちのほうが頑丈だ。

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バイク用のタイヤレバーが3本もあれば、素人でも(時間はかかるが)タイヤ交換ができます。なので工具専門店のストレートなどで特売時に揃えると良いかと思います。動画だとこれとかがとても参考になります。

さて、新品タイヤをホイールへはめ込む時に滑りを良くするために、ビードワックスや濃い目の石鹸水を使うのが世間では一般的です。……が、あまり大きな声では言えないのですが、それらよりも潤滑性が良くて使い勝手の優れたものがあります。それは○ーション。ロー○ョンを小さじ一杯程度に手にとり、タイヤの縁の内側と外側へ満遍なく塗ると、軽い力で面白いようにホイールにはまり込みます。皆さんお試しあれ。

あ、当ブログは18歳未満の青少年でも楽しめる健全なブログを目指していたのですが…まぁ、いっか。

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そうこうしていたら、完成してしまった。
うーん、自分で言うのも何だが長江サイドカーは本当にカッコ良いなぁ。

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7月上旬で車検は切れていたので、役所で仮ナンバーを借りていざ運輸支局へ。
ブレーキやキャブの微調整をしていたらあっという間に時間が過ぎてしまい、予約はしていたものの大急ぎで向かった。
しかもラインに並んだのは午後の三時半過ぎ。うひゃー、残り時間は30分ほどしかない。もし検査中にトラブルが発生したらやり直しの猶予すら無いなコレ。すべての検査が一発で通れるように心の中で祈りながら検査の順番を待つ。

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前に並んでいたトラックや大型RV車の検査が終わってついに自分の番。
これからどんな厳しい検査が始まるのか…と思いきや、打刻と保安部品(ランプ・ミラー・ホーン)の確認を済ませるとそのまま構内のブレーキテスターへ案内された。あれ?車体計測とか外見検査とか打検とか色々やってないような気がするんですけれど……まぁいっか。

さて、前輪をディスクからドラムへと変更して一番問題なのが、制動力が明らかに落ちたことです。以前のディスクブレーキだとレバーを握るとガツンッ!という感じで確実に効いたのですが、ドラムだと渾身の力を込めて目一杯握ってもジワーッとしたおぼろげな効きで、アジャスターを細かく調節しても糠に釘状態。こんなのでブレーキテストに合格するのだろうかとかなり心配だったのですが、なぜか一発で合格。
えっ?拍子抜けです。

そして最終関門の光軸検査。「車体を真っ直ぐにしてハイビームにしてください」と言われ、微妙にハンドルを動かしながら検査機を正面へ誘導。ちょっとしたズル(?)をして合格。
2年前の車検時と比べると恐ろしいぐらいにすんなりと終わってしまった。

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……と、まぁ、こんな感じで我が愛車である長江サイドカーは、全塗装が(一部を除く)完了し、9月17日に晴れて公道に復帰いたしました。5月末に終わらせる予定が9月中旬にまで期間が伸びた誤算を除けば、無事に完了してよかったよかった。

だけど北海道で一番のバイクシーズンである、5~8月の期間中に全く乗れなかったのは痛かったな…。