オイルが止まらん

以前に気休め程度ではありますがオイル漏れをそれなりに軽減させた我が愛車。
しかし、根本的な解決に至っていないのは皆さんご承知の通り。走行中に少量ではあるがポタリポタリと漏れているのが実情だ。

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北海道はこれから本格的な夏のバイクシーズンへ突入することもあり、ここに来て自分は決心した。「右シリンダーを外して治すしか無い」と。
左シリンダーは一滴もオイルが漏れずに綺麗なのだが……。


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まずは船の下の狭い隙間に体をねじり込ませて、現在の右シリンダーの状況を目視で確認することに。
うへぇ……想像はしていたものの漏れ出たオイルでギトギト、さらにホコリや砂が付着して汚ぇなぁ。しかも漏れたオイルは排ガスで熱せられて高温になったマフラーへ垂れ落ちるので、信号待ち等で停車中はオイルの焦げる濃厚かつ独特な匂いが鼻をついた。
うん、やっぱりこれはやるしかないよね。


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外へ剥き出しになっている左シリンダーとは違い、右シリンダーは側車に挟まれているためアクセスは劣悪だ。そのため今回の整備の前段階として、積んでいる予備タイヤや荷物を全部おろしてから、船を側車フレームから外す。オール鉄製の船はとにかく重いので辟易する(自分一人で何とか持ち上げて外したけれど、これはできれば二人でやった方がいい。)。


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改めて右シリンダーとご対面。このように真横から見るのは3年前の全塗装作業以来だ、シリンダー、マフラー、フレームそれぞれがオイルで汚れてヌラヌラ・ギトギト。


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さて、ここで右シリンダーをクランクケースから分離するわけですが(シリンダーヘッドは固定しているボルトが全然緩まなくて諦めた)、スタッドボルトにはめてあるナットはかなりガッチリと締まっているので、パーツクリーナーで洗浄後にクレ5-56を何度か繰り返して吹き付けます。自分の場合は15分のインターバルを置いて3回吹き付けてネジ山の中心部まで浸透させました。
あ、それと事前にキックをしてシリンダー内にあるピストンを上死点の位置へ動かしておくのを忘れないように。


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作業の邪魔になるキャブレターとマフラーを外した後、めがねレンチを基部のナットに掛けて渾身の力で回します。
ちなみに使うレンチのサイズは上の2つが13mm、下の4つが16mmです。


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ここで注意。
エンジン基部のナットはシリンダーとのクリアランスが小さいので、口の部分の肉厚が薄いレンチを使用しないと引っかかってナットにはまりません。
上の画像は左:100円ショップで購入した普段使いの13mmコンビレンチ、右:肉厚が薄いKTCの13mmコンビレンチ。


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固定している合計6個のナットを外し、そっとシリンダーを引き抜くとピストンとコンロッド、タペットが現れます。
ピストンは大した損傷もなく、綺麗なものです。


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ヘッド側の表面は少しカーボンが付着していたので、適当なマイナスドライバーで軽く削り落としてやる。


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右シリンダー本体。ヘッド付なので重量は10kgくらいか? 鉄の塊なので当然ながら結構重たい。
全体的に汚れていたので、パーツクリーナーやシリコンオフで汚れを落とした後、冷却フィン部に黒色の耐熱塗料スプレーを吹いて見栄えをよくしてやる。しかしシリンダー内部はクロスハッチが消えかかっていた。
うーん、ホーニングをしてやりたいが……また次の機会とするか。

古いガスケットを剥がした後は、接合面を丹念に清掃をして新品のガスケットを載せた。もちろんスリーボンド製の液体ガスケット1216Bを併用である。
シリンダーの装着作業中の画像は残念ながらありません。なにせシリンダーは重いし液体ガスケットを塗ったらさっさとナットで固定しないと乾燥してしまう(1216Bは塗布後約20分前後で硬化が始まる)ので撮る暇もなく、時間との戦いだったものでして…。

そして右シリンダーを装着後は一晩置いてガスケットを馴染ませる。
そして何度か試運転をして増し締め後、具合を確認してから20kmほど試験走行をしたのですが……

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走行後に右シリンダーをチェックしてみると「やはり」オイルが滲んでいました。ただし以前よりはだいぶ少ない量ですが。
しかも滲んでいた場所はガスケットを交換したシリンダー基部からではなく、基部から数えて1~3番目くらいの冷却フィン下側の周辺? と思われます(素手で触るとオイルで軽く湿っていた)。肉眼では見えない微細なクラックでもあるのだろうか?
うーん、こうなったら思い切って新品のシリンダーを購入してまるごと交換をした方がいいのかねぇ……?