夕張探訪2014 その3(終)

前回の続きです。


清陵町の通洞跡を後にし、次の目的地へと向かいます。
その途中、清陵町の生協そばにあった夕張新鉱労働組合の旧事務所建物を見ようと寄り道をしたら……なんと、解体されて綺麗に更地(駐車場)となってました。Oh、なんてこったい。昨年までは現存していたみたいなので「まだ大丈夫だろう」などと安心していたら、まさかこんなことになっているとは。こうなるのだったら以前来た時にきちんと撮影をしておけばよかったよ…。今の夕張市は過去の記憶を否定するがごとく、炭鉱時代の建物を情け容赦無くガンガン解体しているなぁ。
仮に建物を維持・管理をするとして、それなりの費用がかかるのはわかりますが…もったいない。

解体という現実を目の当たりにし、足取りが少々重くなりましたが、とりあえず長江を走らせます。

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そういえば清水沢のズリ山でアートイベントをやっているのをそらちヤマの記憶だよりで何回か告知していたことを思い出す。
このまま帰るのも何だし、せっかくだから寄っていくとするか。

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ズリ山の登山口には看板が置かれ、頂上に展示されている作品の名前と、このズリ山の歴史が説明されています。
最初に説明を読んだ時「へぇ、ズリ山の頂上には人が上がれるフロアケ峰(ふろあけみね)という作品があるのか。……で『フロアケ』とはどういう意味なのだろう?」と数秒間頭をひねったが、何の事はない、正しくは「フロアヶ峰(ふろあがみね)」と読むのであった。
疲れてるのかなぁ俺。

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それでは本日二度目のズリ山登山を開始。ここのズリ山を登るのは4年ぶりです。その頃は今みたいに階段や草刈りがされておらず、足元がかなり荒れた状況で登っていました。
道の途中には手軽に休憩ができるようベンチが設置されています。

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登山道から左手側を見やる。
画像真ん中に見える広大な空き地は北炭清水沢炭鉱の選炭工場跡地。清水沢炭鉱が閉山してから既に30年以上経つが、ここは未だに空き地のままだ、

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右手側には夕張川と清陵町の団地が見える。
上流にできたシューパロダムの貯水の影響なのだろう、夕張川は底が透けるくらいに水量が少なかった。

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登山口から歩いて5~6分で頂上に到着。ここは先ほど登った夕張新鉱のズリ山と違って景色が良いのだが、2つのズリ山を一時間も間隔を開けずに連続で登るとさすがに疲れる。息はゼーハー、首筋にはうっすらと汗が流れる。

おぉ、これが作品のフロアヶ峰か。たしかに板張りのフロアが設置されている。早速上がってみるか。

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頂上の真下に見える北炭清水沢火力発電所跡。
稼働当時は北炭自慢の巨大な火力発電所だったが、現在では解体作業が進んでしまい、かなりこじんまりとした外見になってしまった。沢山あった煙突も今では一本が残るだけ。

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フロアヶ峰からパノラマ撮影をした夕張川対岸の紅葉。
しかし山の頂上部が切れてしまい、何とも締まらない画像に。トホホ…。

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頂上で10分ほど撮影や休憩をした後、下山。
ふぅー、それにしてもしんどかった。のんびりとした休日のはずなのにいい汗をかいてしまった。

登山口そばに停めた長江に近づくと、カメラを持った男女の夫婦(カップル?)が熱心に車体を眺めていた。声をかけると「もしかして、このサイドカーって横のタイヤも一緒に動くのですか?」と質問をされた。どうやらウラルを知っているみたいだ。
「いや、このサイドカーはCJ750長江といって、横のタイヤは動かない1WDの中国製サイドカーで~」としばしバイクネタで盛り上がった。

腕時計を見るとそろそろ2時になる頃合。
さて、もう日も傾いてきたし、暗くなる前に札幌へ帰るとするか……とその前に、以前から気になっている場所へと向かう。その場所とは日吉にある炭住だ。
清水沢にあった炭住のほとんどは取り壊されて1棟しか残っていないが、日吉には数棟が残っているらしい。

清水沢の市街地を抜けて平和運動場の横を通過し、線路をわたって旧北炭機械工場の前にある坂道を上り、途中にある分岐で右側へと進む(黄色いハンカチ広場とは反対の道)。道は狭くなり坂の角度もかなり急になる。
長江はギアを落としてえっちらおっちらと登ってゆく。

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坂を上りきったところに突然炭住が目に飛び込んできた。
清水沢に残っているのとは少々作りは違うが、今でも実際に人が住んで手入れがされている炭住だ。ただし廃墟になって雪の重みで潰され朽ち果てている炭住も数棟あったが…。
だけどこのような場所(坂がきつくて市街地まで遠い)だと日常生活をするにはさぞ不便だろう。

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ピンぼけになってしまったが、この半分潰れた廃墟は屋根が残っているだけまだマシである。古い木造建築物は住人がいなくなると崩れるのはあっという間だ。しかしここ日吉は狭くて解体用の重機が入り辛い場所なので、夕張市による撤去作業は後回しにされているのかもしれない。

ちなみに帰り道はすごい急な下り坂で肝を冷やした。ギアを1速にしてほぼアイドリング状態にまで回転数を落とし、エンジンブレーキを効かせても速度計の針がグングンと上がっていく恐怖感。この時ほど「前輪ブレーキはディスクのままにしておけばよかった」と後悔したことはなかった。
もし再びこの場所へ来る機会があるとすれば、黄色いハンカチ広場の駐車場に停めて徒歩で向かうことにしよう。
それぐらいに怖かった……はっきり言って寿命が確実に何年かは縮んだよ。

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さて、日吉で背中に思う存分冷や汗を流した後(?)は、継立・由仁町経由でのんびりと走って札幌へ帰る。
夕方近くになると風が強くなり体が冷える。途中、用足し目的で道の駅に寄った。

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道の駅マオイの丘。ここの名物は地元の採れたて野菜の対面販売だ。
それにしてもすんごい人の数。駐車場は常に満車で午前中に訪れたメロードの比ではない。札幌周辺に多数ある道の駅の中で一番儲かってるんじゃないのかな、ここは。

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クイズ:この中に一台だけ仲間はずれがいます。


本当は南大夕張や夕張本町周辺も探索したかったが、何分時間がなかったので中途半端な探索となってしまった。この辺は来年の課題としたい。
……っていうか我が愛車はエンジンの右シリンダ根本からオイルが漏れ気味なのですが…、塗装作業の時にガスケット交換をすればよかった。
いよいよもって腰上をバラすしかないのか?


おしまい