室蘭にて

富良野のイベントに参加中、周囲の人達から「9月末にも室蘭でそこそこの規模のイベントがあるのだが、君も参加しないのかい?」とエントリーを持ちかけられた。
室蘭か……結構遠いな。
9月29日(日)は勤務先カレンダーだと単発休みで結構迷ったのだが、「えーい、こうなりゃとことん行ってやろうじゃないか!」と決心して申し込みをした。

…だが申し込み後に移動ルートを確認して気がついた。室蘭って富良野よりも更に25km以上も遠いのか。これは無謀だったか?

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夜空に星がまたたく真っ暗闇な早朝の4時30分に札幌を出発した。目的地は室蘭市のフェリー埠頭で開催される室蘭クラシックカーコレクション
ひんやりとした秋の夜風の中を長江は時速50~65kmで順調に走っていく。人間的には辛いのだが、気温が低くなると空冷フラットツインは本領を発揮する。


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6時10分頃に道の駅ウトナイ湖に到着。駐車場にはキャンピングカーや車中泊をしている車が多数だが、早朝なので歩いている人はまばら。道の駅裏手のウトナイ湖畔も見てみたが飛来シーズンではないので水鳥たちは留守。
闇夜の札幌から一気に走ってきたので体が冷えて寒い……トイレで防寒用のタイツを履き、首にはマフラーを巻いた。

ここで20分ほど休憩した後、出発。


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7時30分。白老のエッソセルフでレギュラー16.43Lを給油。
ガソリン、高くなったよねぇ……。


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給油後、エンジンオイルの冷却と気分転換を兼ねて10分ほど休憩をとる。
ガソリンスタンドから海を見ると、ややシケ気味の海岸線にズラリと並んだ竿先が見える。サケ釣りの投げ竿だ。

歩道から下をのぞき込むと、丁度かかったサケを釣り上げている真っ最中だった。


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白老で給油後はノンストップで室蘭までの1時間弱を走りきり、会場であるフェリー埠頭へ無事到着。時刻は8時40分。既に会場内は多くの旧車で賑わっていた。
そして富良野や先日の美唄でも参加していた1991年式ゴールドウイング1500のオジサンとも会う。


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案内された展示場所が出入口の近くだったので、参加車両がひっきりなしに横を走っていく。どれも綺麗に磨かれて新車みたいにピカピカ。
それに引き替え我が愛車は………。


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ブラブラと参加車を見てみる。
初代スープラももう旧車扱いなのか…。たしかに最近は見なくなって久しいけれど。


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大珍品 1934年式ダットサン。今まで室蘭市内に秘蔵され、今回のイベントで初めてお披露目になったという。
よくぞ戦時中に軍によって徴発されなかったものである。
隣に並んだジャガーのオープンと比較するのも何だが、おもちゃみたいに小さく、タイヤも長江に履かせているK70並に細い。


欲しいなぁ…だけど今だとタイヤの入手が面倒(サイズが特殊)だと聞くし……。


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ダットサン・フェアレディ(手前)とブルーバードSSSセダン。


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落ち着いた色合いのフェアレディZが2台。


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スバル360の後継、スバルR-2。


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トライアンフロータスヨーロッパ、ホンダS800の後ろ姿。


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常に黒山の人だかり状態となっていた高級車展示エリア。
自分にとっては金額的に縁のない世界。
みんな金持ってるなぁ。


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トヨタ ライトエースバン。
この手の運搬車・商用車は徹底的にこき使われて最終的にスクラップとして潰されるのが一般的で、きちんと整備をされて生き延びる個体はとても少ない。
このライトエースバン、実は室蘭に向かっている最中に白老付近で少しの間だが並走をした。しかも結構早かった。


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メタリックグレーの初代クラウン。
そして有名な観音開きドアを初めて間近で見た。
後部座席の乗り降りがし易いのが観音開きドアの長所だったが、「走行中の風圧で不意に開く恐れがあり」とのことでその後は廃れてしまった。


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日野コンテッサ1300。
今ではトラックやバスのメーカーだが、50年ほど前までは一般向けの乗用車も作っていた。
トラックという無骨さとは完全に無縁な、とても上品な車だと思う。


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3台のマツダ コスモ。


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オールドタイマーでも紹介されていた1965年式フォード ムスタング


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さて、時計の針も正午を回り、宴もたけなわとなってまいりましたが、誠に残念なことにそろそろ帰り支度をしなければならない。行きで4時間近くかかったということは、帰りも4時間は軽くかかるということだ。これは時間を逆算して暗くなる前に札幌に着くようにするためだ。
「素直に高速を使えよ」と仰る読者様もいるかもしれないが、さすがにスピードの遅い長江で高速道路を走るのは恐怖以外の何物でもない。高速道路を走行中にオカマを掘られて死ぬ訳にもいかないので、チンタラと下の道を行くことにする。

閉会と同時に行われる3時半からの退場パレード、出たかったな…。だが秋の日はつるべ落とし、しかも明日月曜は仕事だ。
心の中で泣きながら12時40分頃に会場を後にした。


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昼下がりの太平洋沿岸とトコトコと走り、2時30分にウトナイ湖の道の駅に到着。
朝と違ってこの時間帯は結構な混雑。最初は駐車場に止めようかと思ったが満車で空きがなく、仕方がないのでバイク駐車場に長江を停める。

駐車後、そういえば札幌を出発後からまともな食事をしていないのを思い出した。一応は会場で展示参加者に昼食として助六寿司1パックが提供されたが、大した量でもなかったのであまり腹の足しにはならなかった。

建物内にある食堂でかけうどんを注文して適当に胃袋へと流し込み、さてまた走るか…とバイク駐車場へ向かうと何やら人が集まっている。「どうしたのだろうか?」と思いながら近づくと、その原因は自分の愛車だった。
ギャラリー多数だったので、まさかの室蘭旧車イベントの第2ラウンド勃発である。

何人もの人たちが、かなりの勢いで食いついてきたので結構な質問攻め状態となった。まぁこっちとしても面白かったからよかったけれどね。やはりここでもキックでエンジンをかけると「おぉ~」と感嘆の声。そしてバック走行をすると更に大ウケ。
全国の長江・ウラル・ドニエプルオーナーの皆さん、今は道の駅でキック始動&バック走行が熱いですよ(多分)。



その後は特に問題もなく夕方の5時10分に札幌到着(帰りの道の駅で少々時間を取られた)。自分としては今年最後の旧車イベント参加でしたが、いやもう室蘭はとにかく遠かった。当分の間は室蘭方面は遠慮しておこう……。
そして翌日から2日間ほどは腕と背中が激しい筋肉痛となってしまった。「走る筋トレマシーン」の異名は伊達ではない。


本日の走行距離:277km(きちんとメモっていなかったので推定)