第3回 室蘭クラシックカーコレクション

3週間も遅れてしまいましたが、9月27日に参加した室蘭クラシックカーコレクションの参加記を書いてみたいと思います。

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2013年の第一回から参加している室蘭クラシックカーコレクション。昨年は全塗装作業をしていたこともあって開催日にギリギリ間に合わず、事前エントリーは直前に取り下げて不参加となってしまった(開催は2014年9月15日、車検を通したのが9月17日だった)。
このことで準備をしていた運営スタッフの皆様には迷惑をかけてしまった。さらには今年の8月末に参加した小樽クラシックカー博覧会に来ていた室蘭の運営スタッフの方に、面と向かって「しげーさんのサイドカーはまた参加しないんですか?」と声をかけられたこともあり、前回ドタキャンした贖罪も兼ねて室蘭へと行ってきました

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今年の秋の北海道の天気はあまり良くない。
開催10日前から天気図とにらめっこをしていたのだが、開催される日曜日の天気は高い降水確率で傘マークが付いていた。
「はぁ……なんでこうタイミングよく、まるで日曜日を狙ったように雨が降るんだよ…。平日はきれいに晴れるくせしてよぉ」と一人で毒づいたところで何も始まらない。

開催前日の土曜日、準備のために荷物をまとめながら天気を調べる。肝心の道央・道南地方の予報はやはり午前・午後共に雨マーク。発達した前線が太平洋沿岸部を漂っている。テンションが思いっきり下がった気がした。
…まぁ、とりあえずさっさと寝ることにしよう。明日は早いのだから。

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深夜3時に出発すると前回の日記に書きましたが、実際には起床3時、出発は4時半となりました。完全に寝坊ですね……。

玄関から外を見てみると道路は濡れていた。寝ている間にパラパラと雨が降ったらしい。そしてネットの天気予報や雨雲レーダー等の情報によると、午前2時の時点で非常に強い雨雲が登別~苫小牧~厚真にかけて長く横たわっているのがわかった。何ともいえないイヤな気がする。今回のイベントはキャンセルして布団に戻って不貞寝をしようか、という考えも脳裏に浮かんだ。
しかし、希望がない訳ではなかった。なぜなら室蘭周辺は雨雲が既に通り過ぎた後なので、昼間の天気は晴れる可能性があったからだ。

これらの状況を総合して、自分は覚悟を決めた。この雨の中を突っ切るしか無い、と。


車庫から長江サイドカーを引っ張り出し、キックを蹴りおろしてエンジンをかけた。真夜中なので近所迷惑にならないよう必要最低限の暖気運転後、すぐに出発をした。

札幌新道を南下して上野幌を通過し、北広島に入ってしばらくした頃、ヘッドライトが照らす光の中にごく小さな影がチラチラと見え始めた。よくよく見てみるとそれは霧雨の雨粒だった。太平洋沿岸にある雨雲は、どうやらこの辺にまで伸びてきてるらしい。


イメージ 1
恵庭の道の駅でオイルの冷却兼トイレ休憩後、トランクから雨具を取り出して着用する。
この時間になると周辺はライトが不要なくらいにまで明るくなってはいたが、苫小牧方面を見るとまるで夜のようにドス黒い雲が行く手を阻んでいた。AM 5:35


イメージ 2
恵庭を出発後、千歳駅手前でそこそこの降り具合の雨にあたるがこの雨は局地的だったらしく、ウトナイ湖の道の駅に着く頃には道路は濡れていたもののほぼ止んでいた。
雨の中を走ると体が冷えるので再度トイレ休憩を取る。AM 6:20
それとどうでもいいことだが、早朝の光量が足りない時間帯だからか撮影した画像の大半がピンぼけしていてチョイスに苦労する。安いコンデジだとこれぐらいが限界か。


イメージ 3
恵庭でもそうだったが、ここウトナイ湖もキャンピングカーがそこかしこに駐車していた。
その中でも特にこの牽引式キャンピングトレーラーは目を引いた。丸みを帯びた愛嬌のあるデザインがとてもユニーク(調べたらドイツ製のタバート・スモールエッグというらしい)。

用を足し終わり、10分ほど放置したエンジンもいい具合に冷めたみたいなのでウトナイ湖の道の駅を出発した。


しばらく走ると苫小牧の市街地へと入った。
しかし苫小牧市内を走る36号線は、日曜日の早朝にもかかわらず頻繁に信号に引っかかってウンザリした。200~300m走るごとに信号で停止させられるので進んでいる気が全くしない。ゴーストップがあまりに多いとエンジンにも負担がかかるし……。

赤信号地獄をどうにか抜け出し、苫小牧灯台を過ぎて前方を見ると白老周辺に黒い雲が低く垂れ込んでいた。そしてその雲の下はボンヤリと霞んでいる。
あれは間違いなく雨が降っているな……しかも結構強い勢いで…。

案の定、社台付近でかなり強い雨の洗礼を受けた。大きな雨粒が体やヘルメットに容赦なく叩きつける。だが、このような状況だととにかく歯を食いしばりながら辛抱してハンドルを握るしかない。
そして悪い時には悪いことが重なるもので、身体に着けている物の中で唯一雨対策をしていなかった靴(スニーカー)がここでずぶ濡れとなった。
Oh、なんてこったい。
右足は箱や船でガッチリと守られているのでほとんど濡れることはなかったが、外に丸出しとなっている左足はまるで海の中を歩いたかのように水を吸ってしまい何とも気持ちが悪い。


イメージ 4
白老港のローソンでまたもやトイレ休憩。
この画像はちょうど雨が止んだ頃で、路面がびっしょりと濡れているのがわかる。
空を見上げると雨雲が東へ去って太陽が顔を出してきたので、着ていた雨具を脱いで片付けた。室蘭方面は青空が大きく広がっている。
これは期待できそうだ。AM 7:45


イメージ 6
白老から1時間ほど走ってようやく室蘭港フェリー埠頭へ到着した。
ここに来る間に土砂降りで濡れたのがまるで幻だったかのような、気持ちの良い晴天です(後で聞いた話によると前日の室蘭は酷い雨で、雨天決行のイベントとはいえ無事に開催ができるか気を揉んだという)。


イメージ 5
早速折りたたみ椅子を広げてスペースを構築。椅子の後ろでは道中で濡れたトノカバーや雨具を広げて乾かした。
そしてゴールドウイングのオジサンと2年ぶりに再開。AM 8:55


イメージ 7
入場受付を見学。多くの参加車両が並んでいる。


イメージ 9
ついこないだ、と思っていた1980年代の車も今では旧車の仲間入り。
70スープラ、20ソアラ180SX、13シルビア…10年くらい前までは近所でもしょっちゅう見かけたのに、今では全然見なくなった。乗り潰されたりして個体数も激減しているのだろう。


イメージ 8
停まっているのも悪くはないが、車はやはり元気に動いている姿を眺めるのが一番いいなぁ。


イメージ 10
会場内を適当にぶらぶらと歩く。
これはいすゞ117クーペのエリア。


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展示スペースは所々に空きが目立った。
昨晩のテレビやネットの天気予報では降水確率がかなり高かった(60~70%越え)ので、事前エントリーはしたものの用心して室蘭へ行くのを見送った、というオーナーが多数いたのだろう。
こればかりは旧車特有の事情(雨に濡れると車体が錆びる、電装が不調になる等)があるので仕方がないことだが残念だ


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ランボルギーニカウンタックとアルピーヌA110が2台連なって入場。
すぐ目の前を通っていたのでちょっと感動した。


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TVR ヴィクセン
イギリスのバックヤードビルダーメーカー、TVR社が製造したスポーツカーだ。
個人的に一番好きな自動車評論家である下野康史氏が若いころに乗っていた車としても一部で有名(?)である。ちなみに下野氏が入手した1980年当時、日本国内にこのヴィクセンは12台しか存在しなかったという。


イメージ 14
ミゼットと初代キャロル
キャロルは初めて見たけれどすごく小さな車でした。ブルーメタリックの色は恐らく塗り替えたものだとは思うが、意外と雰囲気とマッチしていた。


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この1976年式VW初代ゴルフは凄かった。一見して屋根、ボンネット、ドアなどあらゆる場所がサビでボロボロ・グサグサな状態……しかし、こんな外見でもきちんとナンバーを付けて自走してきたのだから偉い。オーナーの車への愛のなせる技か?


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2年前の初参加時に見て度肝を抜かれたダットサンも参加していました。バンパー中央に備え付けられた始動用クランク棒がいいアクセントです。


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大量に並んだポルシェ。昔のカエル目ポルシェは愛嬌があって良いね。


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そのポルシェの群れの中にあった上の真紅のポルシェ。これは911ではなく912という4気筒エンジンを積んだ廉価版モデルで、日本では結構珍しいポルシェだ。


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すぐそばのフェリーターミナルビルへトイレに行った帰り、来場者駐車場で発見したスバルのヴィヴィオ・Tトップ。屋根を取り外してオープンにできる軽自動車で、しかも4人乗りが可能。実は15年ほど昔、少し気になってこの中古車を探したことがあります。
たしか3000台の限定生産車で、これは珍しいよなぁ。


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ステージ上ではオーナートークショーも開催されていた。
珍しい車を所有しているオーナーさんのプライベートを聞くのはなかなかおもしろいものです。


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後ろから見るとものすごく車高が低いのがわかります。


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自分のスペースへ戻ると恒例の大勢の人による質問攻めタイムです。
やはり皆さん長江は気になるんですねぇ。自分の愛車は他の展示車と違って(燃料コックと電装以外は)おさわりOKなので、触ったり座ったり跨ったり撫ぜたり摘んだりと大人も子供も自由に楽しんでいました。
あと、どうでもいいことですが今回は天気が良いからか9月末にしては結構暑かったです。2年前の参加時の肌寒さを考慮して冬用タイツや長袖シャツで完全防備をしてきたのですが、昼になるともう暑くて暑くて…。周囲を見渡すとTシャツ・短パン・サンダルという軽装で過ごしている人が多数……そりゃ好天だし暑いわな。
そして椅子に腰をかけてボーッとしていると、なぜか近くを通りかかった老婦人からおにぎりとお茶を差し入れられた。物欲しそうに見えたのだろうか?
まぁ腹が減っていたのでありがたく頂戴しましたが。


とか何とか色々とやっているうちに、楽しい時間は「あっ」という間に過ぎていきます………。


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PM 14:30から退場パレードが始まった。運営スタッフの説明によるとバイクはパレードの一番最初を走ることになっていたので、ゴールドウィングを先頭にして自分の長江サイドカーは二番手で後をついていった。
パレードをする距離はフェリー埠頭に沿う道路200m前後とかなり短いのだが、周囲の観客から手を振られたりして何ともいえない気分を味わう。

名残惜しい会場を後にし、長江は札幌を目指します。


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白老からウトナイ湖付近までの約30kmの道のりは、キャロルとミゼットを積載したトラックにずっとくっつきながら走り続けた。

そして、ここでひとつ反省しなければならないことがあります。
それは苫小牧新開町付近で右車線へ移動するときに、あまり距離を取らずに積載車の鼻先をかすめるようにして車線変更をしてしまったことです。
積載車を運転されていた方にはヒヤッとさせてしまい、大変失礼致しました。


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ウトナイ湖の道の駅に到着。PM 16:50
地面に落ちた長い影を見てもわかる通り、かなり日が傾いています。
ここではトイレ休憩後、すぐに出発をした(本当は20分ほど止めてオイルとエンジンを休ませたかったのだが、日没が近かったので急いでいた)。


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ここから先は徐々に沈みゆく太陽との勝負となる。なぜなら長江はライトがそれほど明るくないので、暗くなる日没までにできるだけ札幌までの距離を稼いでおきたいからだ。そのためアクセルを握る右手にも力が入る。
しかし、ウトナイ湖の道の駅を出発し、空自千歳基地正門付近を走っている最中突然エンジンがゴボゴボと咳き込みはじめた。……あっ、もしかしてガス欠か? すぐさま燃料コックへ手を伸ばしリザーブへと回す。やれやれ、帰宅を急いでいる時にガス欠とはタイミングが悪い…。
運良く近くにあったセルフスタンドへ長江を滑りこませて給油をした。燃料タンクは20リットル近いガソリンをペロッと飲み込んだ。
走行距離から燃料消費量を計算すると燃費は約11.6~12km/Lくらいか。もう1.5kmほど伸びてくれれば財布にも精神的にもありがたいのだが。PM 17:30

そしてサッポロビール恵庭工場付近でとうとう日が暮れてしまい、真っ暗となってしまった。嫌な嫌な夜間走行の始まりである。
日曜日の夜6時台ということもあり、行楽帰りの車などでごった返す36号線。しかもここでしげーは致命的なミスを犯してしまった。本来なら恵庭の道の駅を超えて陸橋を渡りケーズデンキ角の交差点で46号線(北広島方面)へ右折をするはずが、そのまま直進をしてしまったのだ。
気がついた時にはもう既に遅かった(交通量的にもUターンをするのは危ない状況だった)。仕方なく大曲・清田・福住・月寒の激混み道路を舌打ちしながら環状通を目指して走った。

自宅へ着く頃には夜7時を回っていた。室蘭から4時間半の旅はなんとか無事に終了した。
とにかく、疲れました……。


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補足1: これは会場で聞いた話なのですが、2年前の第一回室蘭クラシックカーコレクションで、自分の長江が人気投票で一位を獲得したって本当ですかね?
この話をしてくれたオジサン曰く「あんたのサイドカーはすごく目立っていたよ。だけど第一回の時は途中で帰ったみたいだし、閉会時の受賞式でトロフィーと景品を受け取っていないだろ?」とのこと。
まぁ、2年も前のことだし今更どうこう言っても始まらないのですが、真実はどうだったのかが知りたいなぁ。


補足2:今回のイベントでは、当日の飛び入り参加車を除く事前エントリー車の車名や年式、メーカーが記載された贅沢なフルカラーパンフレットがオーナーや来場者に配られたのですが…

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結構お金かけてます。


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中身はこんな感じ


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やはり国産車の参加が多いです。


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バイクは全部で3台のエントリーでした。


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ん? 我が愛車の項目がなんだかおかしいぞ?


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本当は1966年製なのですが、なぜか9歳もサバを読まされていました。
エントリーシートにはきちんと書いたはずなのだが……まぁいっか。