駆け足の赤平炭鉱訪問

前回の続きです。



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更衣室兼坑口浴場の入り口。
住友赤平の閉山から18年経過し、長い間建物の維持・管理がされなかったため、外壁がボロボロになってきています。
 
 
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入ってすぐにある大きな鏡。
出勤してきた炭鉱マンたちがこの鏡で身だしなみを整えたりしたのだろうか。
上部には大きな白文字で「御安全に」と書かれている。

 
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この鏡を寄贈した湯浅電池とは、現在のジーエス・ユアサコーポレーションの旧社名。 世間ではユアサというと自動車用バッテリーで有名だが、昔はキャップライト用バッテリーも作っていたので鉱山・炭鉱会社とも関係が深かった。

 
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入り口からまっすぐ進んだ突き当りに貼られた告知。勝手に坑口浴場に入る不届き者がいたらしい。 
どうでもいいけど結構達筆だ。
 
 
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がらんとした更衣室。
少々ほこりとカビの臭いがする。

 
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天井に下がった吊り籠

 
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吊り籠を固定する金具と鎖と南京錠。
試しに引っ張ってみると、やや重いものの滑車はスルスルと動いた。

 
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浴室。
あきれるほど大きな湯船。一仕事終えた後に入る風呂がこれだけ大きければ、さぞ気持ちがいいだろう。
フラッシュを焚いて撮影したら白いゴミが入り込んでしまった。

 
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更衣室から繰込場へ通じる地下通路は、土砂で埋めてありました。
 
 
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 午後1時からは立坑見学です。
 しかし何度見てもデカい立坑櫓(高さ43.8m)だ
 

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ここで致命的なミス。
なんとデジカメを持っていたにも関わらず、話を聞くのに集中していたために肝心の撮影を忘れてしまったのだ。
10枚も撮っていないぞ…。トホホ

 
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なので立坑内部の写真を見たい方は、過去の日記を見て下さい(笑)。 

 
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2時頃まで立坑内を見た後は、次は自走枠整備工場へと移動。
2時半からは、自走枠工場の裏手にある斜坑坑口群の見学会が開かれたが、終わるまで1時間以上かかる&自前の長靴が無いので涙を飲んで不参加に。

 
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炭層に発破用の穴を開けるエアオーガ(ドリル)。
 
 
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岩石層に穴を開ける削岩機。

 
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炭層を砕くコールピック。 
以上3種は実際に触って操作を体験することができます。

 
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削岩機の操作実演。

 
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コールピックを使ってコンクリートブロックを砕く実演。
ガガガガガッ!という衝撃音とともに勢い良く足元のブロックを粉々にしていく。
だが、ココでトラブルが発生。


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ピックを深く突き刺してしまい、無理して抜いたら根本から外れてしまった。
まぁ、ピックは構造が単純だからすぐ直せるだろうけど。

 
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ロッカーショベル(ズリ積込機)の実演。
こう見えてバケットが後ろの炭車まで器用に届く。

 
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住友赤平閉山の15年ほど前に導入されたSD(自走枠とドラムカッター)。 
この手の大型採炭機械は閉山と同時に坑内に放置して処分するのが一般的だが、ここに展示してあるものはそのようなことがされずに生き残った、非常に貴重な機械だ。
特にドラムカッターは、閉山前にわざわざ坑内の奥深くからバラして引き上げてきたのだという。
 
 
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禍々しささえ感じるヘリカルドラムの爪。 
機械の力にものを言わせ、炭層だろうが断層だろうが石炭も岩石もまとめて片っ端から一気に削りとった。

 
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パンツァコンベア駆動部からのアングル。
住友赤平のSDは、太平洋炭鉱や三池炭鉱ほど規模は大きくなかった(切羽面長はせいぜい50~60m前後しかない)。この手の重機材を使うには炭層の傾斜が小さい(緩傾斜)ことがSD稼働の絶対条件なので、急傾斜炭層が多い赤平はその点で不利だった。
ただし、緩傾斜炭層でうまい具合にSDが稼働すると、欠口などとは比較にならないほどの高い出炭能率を上げた。

SD切羽の人員はドラムカッター操作が2人、自走枠操作が2~3人と、これまた欠口よりずっと少人数で運用が可能だった。

 
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ここでちょと訂正。
昨年の赤平炭鉱訪問の日記で、このドラムカッターを「遠隔操作ではないか」と書きましたが、実際は後ろに操作レバー類がありました(当時このドラムカッターで採炭をしていた人が詳しく説明をしてくれた)。
ウソ書いてすみませんでした。
 
 
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午後3時30分。
戦い済んで日が暮れて(?)、日が沈む前に札幌へ帰ります。
長江はライトが暗いので、夜間はあまり走りたくないのが理由です。

帰り道は行きとは違い、国道12号をひたすら南下していったのですが、岩見沢付近で遂に日が暮れて真っ暗になってしまった。で、日が沈むと同時に急に寒くなり鼻水が止まらなくなる。
多分、気温は14度くらいしかなかったんじゃないかな?逆に長江の空冷エンジンはこの寒さで絶好調になりましたが(日没後は明らかにエンジンの回転が良くなった)。


本日の走行距離:174km
出発前のカバーとスポークの干渉トラブルさえなければ、もっと赤平を堪能できたのですが……。
とりあえず来年に期待しよう。