ホッケ釣り 石狩湾新港・西防波堤編
石狩湾新港に突如としてホッケの大群が入り込んだ、という情報が札幌周辺の釣り師達に知れ渡ったのが、今から3週間ほど前の4月上旬(詳細についてはfumioの釣り情報内にある掲示板を遡って確認をして下さい)。魚体の大きさはそれ程ではないものの、群れの厚さがかなりの規模らしく、石狩では数年ぶりとも思われるホッケが好釣という出来事に、釣り関連のブログでは短時間で50匹も釣ったぞ、いや俺は100匹を余裕で超えた……などと、ずいぶんと景気の良い大漁話が踊っていた。
自分としても、この一報を聞いた時にすぐさま竿とバケツを手にとって現地へ馳せ参じたかったのだが、なかなかタイミングが合わず、ようやく行くことができたのが4月25日。とりあえず押っ取り刀で出かけることにした。
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4月25日(水)
本来ならば夜中の3時頃に起きて、4時半くらいには新港に向けて出発をしているはずだった。しかし目覚めた時刻は5時30分。完全に寝坊である。
布団から飛び起きて大急ぎで支度をして、6時10分に自宅を出発。ちなみに今回は愛車のサイドカーではなく親父の車を借りています(任意保険の契約上、長江にはまだ乗れないため。それに寒いし)。
6時50分、いつもの西防波堤に至るゲート前に到着した。路肩に駐車をしている車の数は10台前後。もう少し混んでいるかも……と予想をしていたが、連休直前の平日早朝だとこんなものかもしれない。
逸る気持ちを抑えながら車のトランクから釣り道具を下ろし、1400m先にある西防波堤を目指して歩き始めた。
砂利道を歩くこと数分、西埠頭の海岸線に出た。そしてここには風力発電所の建設を告知する看板が置かれていた。
海の状態はほぼベタ凪。風は1~2m/s前後のごく弱い南東の風が吹いている。
上を見上げると暗い色をした雲が空を隙間なく塞いでおり、太陽が顔を出さないため気温も13度と低い(先週の初夏みたいな暑さが嘘みたいだ)。だが、しっかりと厚着をして防寒対策を済ませているため、それほど寒さは感じない。
15分ほど歩いて西防波堤の付け根に到着した。先客は12~13人前後だろうか。
釣座は防波堤先端部から100mほど下がった場所に構えることにした。
自分以外はほぼ全員がカレイ狙いの投げ釣り師ばかり(後で2~3人のルアー・ワームの穴釣り師が来たが)。まぁ、こんな遠くて不便な場所まで重たいコマセを担いでホッケを釣りに来る、などという物好きな人間は少ないでしょうけれど。
まずはコマセ(撒き餌)を5~6杯ほど打つ。 7:25 AM
コマセはアミブロック1kgに集魚剤としてダイワ ビッグハンターを1/4ほど入れて適量の海水で練ったもの(固さとしては湿ったおからみたいな感じ)を使っています。個人的にはこれが一番使い勝手が良いです。
水中に広がったコマセは左(沖)から右(陸)へ向けてかなりゆっくりと流れている。
自分のホッケ釣りの仕掛けは、ごく単純なウキ釣りです。昔から使っている3.6mの万能延べ竿にゴム管留めの小さな玉ウキと丸せいご13号の針、重りは小ガン玉、エサは大粒の食わせ用オキアミ。ウキ下は1.5mとやや長め目の調整とした。
西防波堤の内海側は東防波堤とは違って海面まで近い(1~1.5mくらい)ので、リールのない延べ竿でも手軽に釣りをすることができます。
途切れないように少量ずつコマセを打ちながら、ホッケがこの場所へ寄ってくるのを待ち続けた。
コマセをチビチビと撒き続けて20分ほど経過した頃だろうか。水面に浮かんでいる玉ウキが、小刻みに動いたかと思うと突然水中へと沈んだ。即座に手首のスナップを効かせて竿を持ち上げる。よしっ、ようやく待望のホッケが釣れた……けれど、サイズは思っていたよりも小さいな…。大きいホッケを釣りたいのなら札幌近郊で横着せずに、神恵内や島牧方面へ足を伸ばせということだろうけど。
最初の一匹が釣れてからは、5~10分に1匹という割合でポツポツとコンスタントに釣れる。どうやら水中にホッケの群れが集まってきたらしい(ただし水面近くでボイルしている訳ではないので想像だが)。
ここ西防波堤では、自分以外にホッケをメインで釣っている人がいないので、完全に独占状態である。
エサ取りのガヤ(エゾメバル)。
仕掛けが風に流されて岸壁に近づくと、コイツがちょくちょく針にかかってくる。掴む時には注意をしないと、背びれの鋭いトゲが指に刺さって痛い思いをします。
地味な見た目に反して食べると美味い魚なので、もうちょい大きければキープするのですが、ここは将来を考えて全部リリース。
……そしてこの後に大事故(?)が発生。
9時過ぎにホッケやガヤとは明らかに違う、底に突き刺さる感じの強いアタリがあった。
「おぉっ、これは多分デカそうだ」と内心期待して仕掛けをあげる。水中でギラリと光って見えた楕円形の魚影は結構なサイズ。
「ん? これはもしかしてウミタナゴか?」
そう思いながら竿の弾力を利用して水面から防波堤上に引き上げたその時であった。突然、竿の先端付近がバキッという乾いた音と共に真っ二つに折れてしまった。これが26年にも渡って使用してきた万能竿(鮒竿)の最後の瞬間であった。足元ではウミタナゴがピチピチと跳ねていた……。
まぁ値段としては1600円ほどの安竿だったのですが、何もこんなタイミングでご臨終をしなくても。
長年使ってきた竿の感傷に浸ってもいられない。すぐに予備のコンパクトロッドへと切り替えて釣りを続行した。
陸からの風が吹きだして若干肌寒くなってはきたが、なおも退屈しない程度にホッケが釣れる。これでサイズがもう少し大きければ文句無しなのですが。
本日釣った魚の中で一番小さいのはこのガヤ。
体長10cmほどしかないミニサイズのくせに、しっかりと丸セイゴ針をくわえて上がってきた(勿論、即座にリリース)。
10時45分頃、自分が釣座を構えている場所のすぐ目の前で、2隻の漁船が大きなエンジン音を響かせながら網を投下して漁(底引き網?)を開始した。これによってコマセに集まっていたホッケ達が驚いて散ってしまい、以降のアタリが皆無となってしまった。こっちは遊び、向こうは生活がかかっているから仕方がないけどね……。
ま、これだけ釣れれば個人的には満足です。
事前に確認した天気予報ではあと1時間半ほどで雨が降るらしく、きりが良かったので11時に釣座の後片付けを済ませた。それでは帰るとしますか。
そういえば今回の釣りでは、邪魔なエサ取りの代表格であるウグイが1匹しか釣れませんでした。おかげでとても快適なホッケ釣りを堪能することができた訳ですが、こんな日もあるんだねぇ。石狩では珍しいことだ。
背後で外海側に投げている人達は、昼間にもかかわらず安定して良型のクロガシラやソウハチなどをあげていた。自分も今度は投げ釣りでもしようか。
西防波堤の先端部。ここの消波ブロックは東防波堤のと違って平面的な形状なので釣座を構えやすい。
帰宅途中に樽川埠頭の様子を見てみた。
恐らく常連組と思われる人たちが何本もの竿を出していましたが、ホッケ・チカ狙いのサビキコマセに誘われたカレイが数枚上がっている以外は、あまり釣れている様子はない。
次は東埠頭付け根にある港内作業船の係留岸壁。
ここもチカとホッケ狙いの人が多数だが、チカが散発的に釣れている程度で状況はあまり良くなかった。
皆、何となく手持ち無沙汰気味。魚よりも人の数が多いのかもしれない。
砂利運搬船が接岸して作業中だったので、いつもの砂揚げ場岸壁は関係者以外立入禁止で入釣不可となっていた。
2週間前の4月10日前後は、ここの場所がホッケの爆釣フィーバーで大盛況になっていたという。
漁港区周辺にも何人か釣り人がいましたが、釣れている気配はない。そして竿のそばでは2頭のコーギーが仲良く丸くなっていた。
この後、空からポツポツと雨が降り出した。
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本日の釣果
ホッケ:18匹
ウミタナゴ:1匹
ホッケの平均サイズは24~25cmで、1匹だけ一回り大きい32cmのがいたが全体的に見るとやや小ぶり。竿をへし折ったウミタナゴは28cmもあった。この季節にしてはずいぶんとデカくて立派。
ちなみにバラシは6回ほどありました。
札幌のすぐ近所にある石狩で3時間半ほど遊んでこの釣果なら、まぁ悪くはない数です。それにこれ以上調子に乗って釣りまくると、重たくなったバケツが肩と指に食い込んで帰り道が猛烈に辛くなります。あまり欲張って釣らずに「ほどほど」が一番かもしれません、
さて、周囲にいた釣り人の話では、石狩湾新港内におけるホッケの最盛期は先週くらいで終了したらしいので、これから釣りたい人はなるべく早めに出かけた方が良いです(来週の4連休に入る頃には群れがかなり薄くなっている可能性が高い)。
以上、ご参考までに。