布教活動
イベントが始まるまでしばらく駐車場で暇を潰していると、立ち寄る人が横にある長江サイドカーを見て皆口々にこう言いました。
「これは珍しいから参加した方がいい」
「うわっ、なんかスゲェ(笑)」
「……え? コレは展示に出すんじゃないの?」
「こういう珍しいものは是非みんなに見せた方が良いと思うぞ」
「せっかく富良野にまで来たのだから出なよ」
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周りにいた人達におだてられ、参加費2000円を支払ってついに飛び入り参加をしてしまった。
参加する予定は全然無かったんだけどね……グッバイ資料漁り計画。
まぁいいや、世間に対する長江サイドカーの布教活動と割り切ろう。
雲もなく燦々と降り注ぐ太陽の光。
空気が乾燥しているのが救いだが、それでも肌は炙られるようなジリジリとした暑さと痛さを感じる。
はるか遠くの十勝連山に白く残る雪渓が冷たくて涼しそうだ……。
事前計画無しの飛び入り参加なため、テントやパラソル、食べ物・飲み物の準備も全くしていない(せいぜいおやつ程度)。他の参加者達はテントやタープでのんびりと涼んでいるが、予め準備をしていない自分はそれができない。
こうして愛車の横に立ちながら、イベント終了まで6時間の炎天下の過酷な修行が始まった。
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まず、この長江サイドカーを見て反応を示す人は、殆どが男性。稀に女性が混じる。
その時の質問や会話もおおよそ決まっている。
「どうやって手に入れたの?」
「なんで原産国が中国なのにBMWなの?」
「40年以上昔のバイク? ほぉ~」
「これまともに動くの?」(し、失礼な(笑))
「普段も乗ってるの?」
「側車輪は動かないの?」
「スピードはどれくらい?」
「札幌から富良野まで自走? そりゃ凄い」
「若いのに大変だねぇ」
「部品とか手に入るの?」
「あ! 前輪にディスクブレーキが付いてる」
……長江を世間へ周知徹底させるには、まだまだ試練が山積みと感じた。
解脱まではまだ遠い。
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そして修行もほどほどにその辺をブラブラと歩いてみる。
し、修行をサボってる訳じゃないよ?
元は作業・工事用に作られたトラックなのですが、漂う雰囲気から軍用車みたいな感じを受ける。
ヨタ8(トヨタS800)
個人的にはホンダS800よりもこっちの方がデザイン的に好きです。
この頃のトヨタってデザインセンスが良かったな。
ロータス・ヨーロッパ
しかし、ヨーロッパって見れば見るほど奇妙な形をしている。
当時「エンジンを運ぶバン」と言われていたのもわかる気がします。
どうにも眠たそうなフェアレディ Z31
人生2度目の遭遇。1度目は5年ほど前に、近所のファストフード店の駐車場で見たオレンジ色の個体だった。
戦闘機から操縦席部分をそのまま切り取ったような、あまりに斬新すぎるデザイン。青色の塗装なので何となく魚類(とくにハゼ)に見える。
パブリカのバン仕様。
フロントの形から見るにCM8だろうか?
今回、この手の催しでは高確率でいると思われたミゼットやK360はいませんでした。
VWビートル
ナンバーに注目。希少なシングルです。
ルノー8ゴルディーニ
一度見ると忘れられない、すごく個性的な顔。
いかにも軽そうな2stジムニー。
豪快な排気音を響かせながら展示会場に入って来ました。
特別講演
札幌市東区の小西自動車 超ベテラン板金マンによるフロアパネルの叩きだし作業の実演。
やってることがオールドタイマーそのものだ。
ふと振り返ると、見学者に取り囲まれている我が愛車。
会場全景
何だかんだで閉会式の午後3時まで居てしまった。
今回は事前準備無しのかなり過酷な飛び入り参加でしたが、思っていたよりも楽しめました。
この後は寄り道をせずに帰宅。家についたのは夕方の6時30分頃でした。
本日の走行距離:242km
家に帰ってから腕を見ると日に焼けて真っ赤。しかも腕時計の後がクッキリと…ヒリヒリして痛い……。