積丹半島 一周ツーリング2018 初秋

本来ならば昨年9月頃にアップをするはずの日記なのですが、大地震やら仕事やらで忙しくて手を付けるのをすっかり忘れていました。半年近くも遅れてしまい申し訳ないです。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////

2018年9月2日(日)

「最近、積丹方面にツーリングをしてないな」
愛車に乗って積丹へ最後に行ったのはいつだっただろうか。あぁ、思い起こせばもう6年近くも前の事か。潮の香り、青い海、切り立った断崖……よしっ、どうせなら今回のツーリングは一泊二日のキャンプツーリングと洒落込もう。
早速、愛車の船にテントや寝袋、ストーブ、食料などのキャンプ道具類を詰め込んで自宅を出発した。 7:03 AM

イメージ 1
ここで愛車にガソリンをたらふく飲ませてやる(13.3リットル)。

給油後に軽く身支度を整えた後、8:16にガソリンスタンドを出発。朝里市街地を抜けて国道393号線(メープル街道)へと入る。393号線は一般的な乗用車や現行のオートバイでは大して苦にもならない山道なのだが、エンジンが非力かつサスが貧弱な長江で走るとなかなかキツい。
特に毛無峠名物の8連続急カーブな登り坂と、峠を越えた後にキロロスキー場の入り口まで続く凸凹な路面状況は、とてもじゃないが快適なツーリングには程遠い。しかも後続車からは「前を走る遅いサイドカーが邪魔だな」という無言の圧力もひしひしと感じる。
長江だと単なる地方国道を通行することさえも大冒険だ。
 
イメージ 2イメージ 3
8:56 AM
キロロを過ぎて農家が点在する片側一車線をしばらく走ると、右手に道の駅あかいがわの建物が見えてきた。
駐車場に愛車を停め、とりえずホッと一息つける。日曜日の朝の時間帯だからか、車も人もまだそれほど多くはない。
用足しを済ませ敷地内にあるベンチに腰を掛けて軽くくつろいだ後、愛車のそばで出発準備をしていると、白老から走ってきたというライダーに声をかけられしばしの談笑。彼もこれからツーリングで積丹方面に向かうみたいだ。
9:22 AM 道の駅を出発
 
イメージ 4
道の駅を出発して銀山を経由し、稲穂峠を超えると岩内町はすぐだ(と言っても40分以上かかってはいるが)。稲穂峠は登坂車線もあるおかげで鈍足な長江でも走りやすいのには助かった。
岩内町の市街地に入ったところにあるガソリンスタンドで本日2度目の給油(レギュラー6.5リットル)。それにしても太陽の日差しが真夏並に暑いのなんの(赤井川では涼しかったのに)……給油後は、ガソリンスタンドの端で15分ほど休憩をしてから出発した。
 
イメージ 5
盃温泉 10:57 AM
岩内町から30分ほどのんびり走って泊村の盃温泉郷に到着。
さすがに9月ともなると海水浴客がいないので、道路沿いの磯や浜辺はガラガラだ。
弁天島手前の階段状に護岸をされた湾洞では、スキューバーダイビングとカヤックを楽しんでいる人が多数いた。涼しそうで羨ましい。

イメージ 6
愛車から降りて軽く歩いてみる。
弁天島とをつなぐ橋はコンクリート製でかなり頑丈そう。
 
イメージ 7
浅瀬を漕ぐカヤックを橋の上から見る。
そういえば以前購入したインフレータブルカヤックも久しぶりに引っ張り出さないとな。
 
イメージ 8イメージ 9
弁天島北側の地磯。この場所は潮通しが良く、足元から適度な深さ(水深3~4m)があるため、春のホッケシーズンには大勢の釣り人達で賑わうポイントとして有名(自分は近くにある盃漁港で釣りをしたことはあるが弁天島は未経験)。それと地磯にしては平坦なので釣りやすそうだ。
 
イメージ 10
弁天島を気ままに散策をした後、バス停の横に停めた愛車へと戻る。時間を確認すると既に正午近い。結構長居をしてしまったな。
ジャケットを着てヘルメットを被り、おもむろにキックペダルに足をかけて蹴り下ろす……という矢先、目の前を通過していったバイクが突然急停車をして、降りたライダーがこちらへとやって来た。そして開口一番「いやぁ~珍しいバイクに乗られてますねぇ。写真を撮ってもいいですか?」と声をかけられた。
カバンからカメラを取り出して熱心に撮影をする御仁に話を伺うと、自宅のある秋田からカワサキZZR 250でツーリングに来た、とのこと。昨日東北から自走をしてフェリーで函館に上陸後、日本海沿いを北上して今夜の苫東発秋田行きのフェリーに搭乗して帰る強行軍だと言う。軽く数分ほど会話をした後は再びバイクへ跨って颯爽と去っていったが、外見からは結構な歳に見えたものの、なかなか元気な人でした。
 
では、気を取り直して出発。11:47 AM
 

盃温泉から西の河原まではカメラをセットして走行中の動画を撮影した。
動画内で2分12秒と7分51秒に一瞬写っているのが、盃で出発前に声かけてきたライダーの方です。
 
イメージ 11
ルートとしてはこんな感じ。走行距離は23km前後。
 
イメージ 12
西の河原駐車場に到着。 12:33 PM
ここはトンネルとトンネルに挟まれた、猫の額ほどの狭い土地に造られた小さな駐車場だ。そばには車が5台ほど停まっていたが、周囲に人の気配は全くない。磯に出て釣りでもしているのだろうか(こんな真っ昼間に釣れる魚は、今時期だとショアブリだろう)?
 
イメージ 13
駐車場から海岸へと降りると、小さなゴロタ場と浅い地磯が広がっている。。
左手奥に遠くかすんで見えるのは、西積丹でも屈指の好釣り場である西の河原と十坊岬。徒歩だと軽く1時間はかかる健脚者向けのポイントだ。なお、西の河原にある地蔵堂では毎年6月中旬に地域住民総出でお祭りが開催されるという。
 
イメージ 14
そして右手に目を向けると、こちらも大物釣りで名高いアキアジ場がある。波打ち際の断崖絶壁を横ばいで掴まりながら入釣をするベテラン向けのポイント。
 
イメージ 15
潮風で真っ赤に錆びてボロボロなバス停。周囲の雰囲気と相まって、なんとも言えない侘び寂びを漂わせている。
だけど、ここでバスを乗り降りする人はほとんどいないだろう。

イメージ 16
ここの駐車場にはニシン番屋を模した立派な公衆トイレがある。だが、ドアは固く施錠されていて利用は不可能だった(夏の観光シーズン以外は閉鎖されているらしい)。もしもシーズン外に用を足したい時には、ここから2.5km離れた沼前岬の駐車場トイレに行くしかない。

西の河原駐車場を出発。 12:49 PM
 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
さて、今朝自宅を出る時には「どこか適当な場所にテントを張って一泊しよう」と考えてはいたのだが、ここにきて気が変わった……と言うか億劫になってしまったと言うか…。結局このまま札幌へ帰ることにする。
沼前、神崎、余別、来岸と海岸線に沿いつつ、野塚のT字路からは積丹半島の内陸部へと入る。原野と森林と牧草畑が交雑する農村地帯の一本道を、長江はマイペースに走っていく。
 
カーブの多いダラダラとした下り坂を経て美国市街地に入ると、再び海岸線を左に見ながらのツーリングとなる。それにしても2000年代初頭と比べると、長いトンネルばかりで走行中に景色を眺める楽しみが激減したなぁ。これについては1996年の豊浜トンネル崩落事故と2004年の台風18号による損害(神恵内村・大森大橋の落橋)が大きいのだろうけれど。
 
イメージ 17
札幌へと戻る前に、余市漁港に少々寄り道。
余市漁港の奥には北海道唯一の海自戦闘部隊である余市防備隊が設置されており、ミニ護衛艦風の外見を持つミサイル艇2隻が2008年より配備されている。
実を言うと、以前の1号型から現行のミサイル艇に更新をされた2009年頃に一度ここへ訪れたことがあるのだが、生憎その時に乗っていたのは自分の愛車ではなかったため(姉から借りたバイク)、今回は無事に長江と一緒に収まることとなった(くまたか PG-827)。……とはいえ、欲を言えば桟橋の手前側に係留をしてくれれば、船体がきちんと綺麗に入ったのだが……まぁ仕方ない。次に期待しよう。
数枚撮影をした後、札幌へ帰ることにする。14:16 PM
 
イメージ 18
余市、塩谷、小樽中心部、朝里と順調に走り、休日の行楽客渋滞にもそれほどハマらず銭函からスムーズに札幌市内へと入った。
だが、新川通りの交差点で信号待ちから発進をした直後「ブツッ」という小さな感触とともに左手で握るクラッチレバーから手応えが無くなった……って、いきなりクラッチワイヤーが切れたぞ、おい!!

巡航中ではなく青信号でギアを1速につないで発進をした直後だったので(徒歩並のスピードだったのは運が良かった)、すぐさまブレーキをかけてノロノロと左へ寄せて歩道上に退避をした。
エンジン停止後、側車のトランクから工具類と予備のクラッチワイヤーを取り出してすぐに作業を開始。クラッチレバーを分解してワイヤーをアウターごと抜き出して確認をすると、ワイヤーのタイコ付け根付近からブッツリと千切れていた。いやぁ、これだからワイヤー類は前触れもなく突然切れるのが怖い。順調なツーリングでトラブルも無く無事に終わるかと思っていたが、好事魔多しとはこのことか。
やはりイザというときに備えて予備は持ち歩くに限るな、などと独り言をつぶやきながら交換&テンション調整を済ませた。作業にかかった時間は40分ほど(長江はハンドルのレバー周辺を外すのが意外と手間です)。
余談だが、自分はトラブル発生時に即交換ができるよう、予備パーツとしてスロットル、クラッチ、前ブレーキの各ワイヤー類と点火コイル、ポイント、コンデンサ、電球、ヒューズ、補充用エンジンオイル1qtを常に携帯しています。古い構造のバイクに乗るのならばこれらは必須です。

/////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
……とまぁ、そんなこんなで薄暗くなりかけた頃に自宅へ到着。最後の方でワイヤーが切れるという想定外の災難はありましたが(積丹の長大トンネル内で切れなくて本当によかった…)、久しぶりの積丹ツーリングは良いものでした。
あ、そういえば今日はツーリング中まともな食事をせずにぶっ通しで走り続けたのか。物事に夢中になっているとあまり腹が空かないな。


本日の走行距離:247km